「何をすべきかを考える」という投稿からの続き。
本記事では「企画」にあたる工程を紹介する
やることの確認
先の投稿で紹介した「企画」でやることは以下。
- 目的(やりたいこと)を決める
- 何故その目的を達成したいのかを整理する
- 達成するための手段を考える
- 目的を達成するための期間・時期を決める
進め方
目的(やりたいこと)を決めるとき、アプローチは 2パターンに分かれる
・「こんな生活は嫌だ!」など 問題点を解消したいパターン
・「○○になりたい!」など 夢を追いかけるパターン
いずれもやることは、目的(やりたいこと)を細分化し、その細分化した課題を解決・達成するために行動していくことになる
進め方は「やること」→「細分化」→「解決手段を決める」を腹落ちするまで繰り返し、決まったら「計画」をたて、次の工程へすすむことになる
細分化
問題点を解消したいパターンの場合、細分化する対象は問題点。
「こんな生活は嫌だ!」の「こんな生活」を細分化する
生活とは 仕事を指すのか プライベートを指すのか
仕事ならば 嫌なのは 通勤時間・手段か 上司・部下の人間関係か 人事評価の制度か を明らかにしていく
夢を追いかけるパターンの場合、細分化する対象は達成するためには何が必要なのかという点になる
「歌手になりたい!」とするならば、歌手になるためにはどうしたら良いか
歌唱力・表現力の向上、プロダクションの選定、コンクール・大会での入賞などやることを明らかにしていく
「何故 歌手になりたいのか」「歌手になって何がしたいか」を細分化していくことも大事だが、「理由などない、なるんだ!」という場合は無理に細分化する必要はない
ただ、細分化しておかないと歌手になれたとき・途中で悩んでしまったときに見返す場所がなくなる
強い気持ちを持ち続けることが難しいと思うのであれば、細分化はしておいた方が良い
問題と思うことを思いつくままにあげてみる
何もためらう必要はない。問題としてあげたからといって全て解決する必要はない。全ての問題の中からどれを解消していくかを決めて 物事はすすめていくため、まずは思いつく限り全て出し切るつもりであげてみる
いくつか例を。
- 収入(給料)が少ない
- 自分の評価が低い、正当ではない
- ちゃんとやっているのに、いつも怒られる
- 誰も私のいうことを聞いてくれない
- 友達と仲良く出来ない
- 遊ぶ時間がない
※本事例は マレーの欲求リスト 心理的欲求から発生すると思われる問題を列挙
参考 > Web活用術 人間の欲求は70種類?
問題の細分化
ここであげる問題は、根本的な問題・解決する手段を導き出すのに必要となる
上述の例は根本的な問題とはいいがたい
例えば、「1. 収入(給料)が少ない」だけでは 収入が 100万/月 増えたら何が解消されるのかがわからない
それは「1. 収入(給料)が少ない」ことによる問題は別にあるからだ
「1. 収入(給料)が少ない」の問題を細分化する
- 好きな物が買えない
- 食べたい物が食べられない
- 貯金がたまらない
収入が 100万/月 増えたら 好きな物は買えそうだが、解消と呼べるかまではわからない。貯金がどれくらい欲しいのかがわからない。つまり問題の細分化が足りない、ということだ
「1. 好きな物が買えない」をさらに細分化する
- 携帯電話(スマホ)の液晶が割れたが買い替えが出来ない
- パソコンがスペックが低く、パフォーマンスが悪い
この問題であれば 収入 100万/月 増えなくとも 20-30万程度の一時収入があれば問題は解消できそうである
「3.貯金がたまらない」を細分化する
- 子供を好きな大学に行かせられない
- 老後 年金がいつからいくらもらえるかがわからない
- 老後が満喫できない
この問題を解消するには月いくら貯金すれば良いのか.. と、このように問題点を細分化すると 達成すべき課題がより明確になっていく
問題は可能な限り細分化することで後続の「解決するための手段」や「実行計画」が立てやすくなる
原因とどうなったら解消と呼べるのかを考える
問題から解消する方法だけを考えても一時的な解消にしかならない
根本解決を目指す上では、なぜ その問題が発生しているのか を解消しなければならない
そのため、問題がなぜ発生するのか原因を考える
「3.貯金がたまらない」を例とする
[原因]
×お金がないから
○ローン返済や生活費のみで余力がない
×として記載した「お金がないから」というのは原因となりえない。なぜ お金がないのか、を追及しなければ根本解決にはつながらない
○として記載した「ローン返済や生活費のみで余力がない」という原因からどうやったら解消されるのかを考える
原因の細分化については、「なぜなぜ分析」などの手法を参考に。
×お金がない からすすめていくと、○ローン返済や~ につながっていく
×お金がないから
└ Why? 収入 - 支出 のバランスが悪い
└ Why? ①支出が多い
│ └ Why? ①-1) ローンが残ってる
│ │ └ Why? 残ってるもんは残ってるんだ! (END)
│ └ Why? ①-2) 生活費が多い
│ │ └ Why? 多いったら多いんだよ! (END)
└ Why? ②収入が少ない
└ Why? 所属会社が.. (長くなりそうなので割愛)
「どうなったら解消されるのか」を考える
①大学入学金150万円 × 子供 2人分を 10年以内にためる
②老後の生活費 20万/月 × 20年分 を 30年以内にためる
( 60歳以降 年金含め 20万/月 の収入を確保する、でも良い )
③老後は海外でのんびり暮らせるよう初期費用 2,000万円を 30年以内にためる
何を いつまでに どうする が数値化できるところまで 落とし込もう
問題と課題について
蛇足。ここまで「問題」という言葉を使っているが、「問題」というものがどういうものか。問題と課題という言葉を考えると「問題」とは何かがわかりやすい
問題と課題の違いは こちらのサイトを参考にされたい。
問題と課題の違い【改善活動の基礎講座-カイゼンの基本編:第3章】
第3章では、問題と課題の2つの言葉について、辞書上の意味の違いや2つの関係について確認し、問題と課題の使い方の練習問題等で学習していきます。 講義のポイントとなるPowerPointスライドをダウンロード出来ます。無料会員限定機能です。 コンテンツ利用規約に同意してダウンロードする。無料会員に登録すると、ココにダウンロードボタンが表示されます。 …
1. 目的(やりたいこと)を決める
問題を洗い出したところで、本題。目的(やりたいこと)を考える
まず、目的とは何か。
1 実現しようとしてめざす事柄。行動のねらい。めあて。「当初の目的を達成する」「目的にかなう」「旅行の目的」
goo国語辞典 link
2 倫理学で、理性ないし意志が、行為に先だって行為を規定し、方向づけるもの。
ここで決めるべきは、やることの方向性を決めることに他ならない
今立っている場所はスタート地点であり、目的はゴール地点になる
これからどこに向かっていくのか、を決めることが「目的」を決めることになる
目的は細かく考えない
以降やることは、全て「目的を達成するためのものか」を常に頭に入れながら作業することになり、目的と異なるものであれば それはやるべきでないと判断される
システム開発のようなものであれば目的を狭めた方が良いこともあるが、個人でやることなのであまり狭くならないようにしておきたい
上述の問題からであれば「毎日好きなものを食べたい」とか「毎日値段を見ないで外食したい」、ほかには「老後を満喫するための資金を貯める」や「60歳に南国へ移住」など 具体性のあるもの・やる気の出る目的が良いだろう
2. 何故その目的を達成したいのか
目的と問題・細分化した問題・どうなったら解消と呼べるか 考えたことは 全て記録しておこう
記録しながら、なぜこの目的としたのかがわかるようにまとめておくと良い
まとめるものは 紙・ノートでも良いが劣化することや、後日 加筆・修正することを考えるとパソコンやスマホなどを使い 電子データとして記録しておいた方が便利だろう
今後やることに疑問を感じたり、不安になったら見直すものになる
※入力例とテンプレ
目的 > 60歳に南国へ移住
・遊んで暮らすための資金を貯める
・スキューバーダイビングのライセンスを取得する
・船舶免許を取得する
:: 問題
貯金がない、たまらない > 60歳までに 2,000万貯める、年金以外の収入を確保
60歳から遊びたい > ライセンスを取得
3. 達成するための手段を考える
解決策を考える
ここまででまとめた「どうなったら解消と呼べるのか」をどうやったたら達成できるのかを考える
解決策を考える際、あわせてその解決策をすることのメリット・デメリット さらに 実施する上での不明点・懸念点をあげておこう
先ほどあげた問題例 「貯金がたまらない」から出た解消を例とする
解消 | 解決策 | メリット | デメリット | 不明・懸念 |
大学資金の確保 (300万/10年) | 30万/年を貯蓄 | 子供は楽 | 親が大変 | 具体策 |
奨学金の利用 | 親は楽 | 子供に負担 | 奨学金制度とは? | |
老後の生活費 確保 (4,800万/30年) | 160万/年 (13.3万/月)を貯蓄 | 60歳以降は楽 | 80歳以上長生きした、何か大きな消費があったら枯渇 | 具体策 |
60歳以降 20万/月の収入確保 | 財源が流動的なので時代の流れに合わせるなどの自由度が高そう | 60歳過ぎても労働が続く | 具体策 | |
収入が無くなるリスク | ||||
海外生活 初期費用 確保 (2,000万/30年) | 66.7万/年 (5.5万/月) を貯金 | 生活費合わせると 約20万/月を貯金 | 具体策 | |
初期費用がいらない方法 | 貯金しなくて良い | 30年後も確実に使える方法かはわからない | 具体策 | |
解決の具体的手段とリスクを考える
先ほどあげた解決策を具体化する
解決策 | 具体的手段 | リスク | 追加作業 |
30万/年 (2.5万/月) を貯蓄 | 2.5万/月 の節約 | 節約対象の選定 | |
1.67万/月 の節約賞与 5万×2 貯蓄 | 節約対象の選定 | ||
2.5万/月 の増収 | 増収手段の選定 | ||
奨学金の利用 | 奨学金制度の把握 | ||
160万/年 (13.3万/月)を貯蓄 | 作った企業を売って大金取得? | 売却時の税金 | 起業 |
60歳以降 20万/月の収入確保 | 株,アフィリエイトなどの不労収入 印税 | ||
66.7万/年 (5.5万/月) を貯金 | 節約・節税でいける範囲? | ||
初期費用がいらない方法 | 海外あきらめる | ||
優先順位付け
列挙した手段から 、達成度合いと実施するにあたる難易度を見比べ、やる順番を決める
※簡単なものから実施、自分で手を動かさずとも自動で実施できるもので継続的に効果が期待できるものは優先、などの補足
※ ?懸念 であげた策の取り扱い 補足
4. 目的を達成するための期間・時期を決める
優先度の高いものから始めるとして
実施するのあたり 準備期間と実施期間
※夏にしか出来ない、夏にしか効果を発揮しないなどの時期限定もの
※2020年から効果をはっきするもの
※オリンピックなどの特定時期しか効果を期待できないもの
※効果は単発でしか発生しないもの 永続的に発生するもの
細かくは必要ない。企画の工程では四半期~月単位程度の計画で良い
あとがき
本記事は概念のみで記載しているので、次回は(私がすべきと考えた)実例を紹介したい
参考
本記事記載の実践にあたり、参考にさせていただいたサイトは以下。
更新履歴
2019.01.13 : 進め方 再考
進め方が 問題点の解消 前提で記載してたので パターン分けしつつ再構築
落としどころを見失い、すっかり道に迷う
2019.01.11 : 肉付け
問題点「貯金がたまらない」を追加、以降解消・解決策等の後続分 再考
解決策・具体的手段 レイアウト変更
2019.01.10 : 肉付け
2019.01.09 : 構成変更
目的の前に問題の洗い出しをするよう進め方変更